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しりとり法話バトル:第18回「らしさ」佐山拓郎

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お題「らしさ」

文: 佐山拓郎

浄土系単立天恩山五百羅漢寺 住職
昭和のある年の秋彼岸、東京下町の小さなお寺で生まれる。
前職はサラリーマン。縁あって目黒の羅漢寺の住職となる。
恋をしたの、しりとりに。しりとりを越えてゆけ。

ブッダは、自らの悟りを弟子に伝える際、目の前の人の性格などに応じて、その人に一番響くように法を説く、「対機説法」という方法をとられました。
 たどり着く場所は同じでも、人それぞれ道のりは違います。人それぞれの道の先に、「煩悩をなくし、迷いから抜け出す」という悟りの境地はあるのです。
 苦しみの時代で得たブッダの悟りと、豊かな現代での悟りでは、やはり道のりが変わってきます。悟りの境地の一部分を切り取り、現代用に、「悩みのない状態」と言い変えてみましょう。
 「悩みのない状態」をさらに切り取り、「好きな事をしている幸せな時間」としてみます。その時間の中では、自然と、悩みなど消えてしまうのではないでしょうか。
 ブッダの弟子たちが、それぞれに合った説法からヒントを得て、それぞれの道のりで悟りを得たように、現代の私たちも、それぞれの好きなことから、悟りへの道を踏み出せば良いのです。
最後に、「好きな事をしている幸せな時間」を、「自分らしく楽しく過ごしている時間」と言い変えてみます。
つまり、現代の悟りとは、「究極の自分らしさ」の先にあるのではないでしょうか。

【審査員の評価】

総合評価:2.8/5段階中

[渡邉] 3
さとり=幸せな時間 はとても思い切った言い回しで、ちょっと戸惑いました(笑)!
でも仰る通り、現代人に仏法が響いて行くためには、このくらい思い切らないと難しいのかもな、と思いました。何かに夢中になるとき、たしかに空腹すら忘れますもんね。
仏教のさとりは「無我」とも聞きます。「自分らしさ」との関わり方って、難しいですね。

[脇屋] 2.5
好きなことをしている幸せな時間が自分らしさだということは私にはすごく憧れの姿です。私は好きなことやりたいことだけをしている毎日は逆にストレスになることもあります。本当に好きなことが見つかっていないのかもしれません。そう感じられたら幸せです。

[中島] 3
対機説法がその人らしく悟りを目指せば良いという教えなのは、わかります。だから仏教はすごく宗派が多いとか。
けど「好きな事をしている幸せな時間」というのはほんの一瞬のことではないでしょうか。私は好きな仕事を選んで働いておりますが、それでもかなり辛かったり悩んだりがつきまといます。宮崎駿も製作中は死ぬほどイライラすると聞きます。もしそれが悟りへの道程だと言われるとすれば、今回の言葉では足りていないのかも。

☆しりとり法話バトルとは・・・僧侶たちが毎月しりとり形式で出されるお題にのっとって法話を作り、きびしい審査によって本誌掲載・非掲載のふるいにかけられる、フリスタ史上まれにみるサバイバルな企画。ウェブでは、残念ながら掲載に至らなかった法話と、審査員の評価を公開しています。

 

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