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しりとり法話バトル:第17回「ノーギャラ」嶋田一成

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お題「ノーギャラ」

文: 嶋田一成

日蓮宗僧侶
座右の銘 『自分の飼い主は自分』
好きな映画 『ノッキング オン ヘブンズドア』

青年僧  やぁ、久しぶりだね。此処の暮らし向きはどう?相変わらずかい?

青 年  …久しぶり。此処にいると、お客さんが来るのが、とてもうれしいんだ。
     毎日同じ人たちと一緒に昼間の仕事をして、それが終わると、
     部屋に戻って暇してるだけ。面白い事もないからね。
     …ねぇ、前から気になってたんだけど、
     お坊さんってお給料はどうなってんの? やっぱり、お布施?

青年僧  そうだね。

青 年  法事をして、その分のお経料、つまりギャラってこと?

青年僧  ははは、そう見えるよね、外から見てると。でも違うんだ。
     法事とかお葬式は、お坊さんも、そうでない人も、
     お互いに「布施」する場なんだよ。

青 年  え? お坊さんの側も?

青年僧  そう。先ず布施っていうのは、「見返りを求めず与える事」なんだ。
     私たちお坊さんが持っている一番価値のあるモノは教え、なんだ。
     その教えを亡くなった故人に布施する。これを「法施」と言うんだ。
     逆に遺族の方から受け取るのは「財施」というね。
     だからお互いに布施する場ってわけ。

青 年  ふうん…奥が深いんだね… ねぇ、教誨師さん、また来てくれる?

青年僧  もちろん。この仕事はノーギャラだけどな。

【審査員の評価】

総合評価:3.5/5段階中

[渡邉] 3
「ギャラ」と「布施」の違いがよく分かって勉強になりました。私が考えすぎなのか、ちょっと難しく感じてしまいました…。特に最後の会話のところ、教誨師さんがギャラの話をするの、少し怖いです…(笑)

[島田] 3.5
もっとも価値のある教えに対して授けられた側がギャラを払う、明快でいいと思います。クリエイターの仕事で企画やアイデアには支払いがないとされる問題に似ているような。あとは「布施をするにふさわしい教え」だということに、世間がもっと理解を示してほしいですね。

[中島] 4
供養の儀式は深い意味があって考えられていると何かの本にも書いてありました。霊前の花や供物がなぜ供養する側に向けられているかなど、すべて理由があるそうですね。お寺が実家だとたまに「なんで戒名に値段があるの?」と聞かれるのですが、私は戒名料もいわゆる「お布施」であって、教えに対しての対価、その教えを維持するために支払う感じ…と答えています。

☆しりとり法話バトルとは・・・僧侶たちが毎月しりとり形式で出されるお題にのっとって法話を作り、きびしい審査によって本誌掲載・非掲載のふるいにかけられる、フリスタ史上まれにみるサバイバルな企画。ウェブでは、残念ながら掲載に至らなかった法話と、審査員の評価を公開しています。

  

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