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しりとり法話バトル:第16回「小さくて大きいもの」稲田瑞規

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お題「小さくて大きいもの」

☆Vol.43 Winner☆

文: 稲田瑞規

浄土宗・月仲山称名寺
24歳の駆け出し僧侶。京都のお寺で育ちました。プロレス観戦で熱い心を養っております。

 嫌な思い出がふとした瞬間に蘇ってくることってありませんか?私の場合、中学生のときに私の顔を「恐竜みたい」と言われたこととか(笑)ほんの些細な出来事でも、受け取り方次第で、大きく鮮明に記憶に焼き付けられます。
 お釈迦さまが、人を三種の文字に喩えておられることをご存知でしょうか。一つは、怒りを岩に刻んだ文字のように永く覚え続ける人。二つは、怒りが砂に書いた文字のようにすぐ消える人。三つは、水に文字を書いても流れて形にならないように、他人の悪口を聞いても少しも心に跡を留めることもなく、温和な気の満ちている人です。
 私を含め、世間には岩に刻んだ文字の人がおられます。人を思い出す際に「俺にあの悪口を言ったアイツ」と嫌な気持ちになり、自分も苦しめてしまう。ほんの小さな記憶でも大きな苦しみを刻み続けてしまうのです。
 苦しみから抜け出す方法は、嫌なことがあっても心に跡を留めない、水のような心の在りかたです。空虚な罵詈雑言には耳を貸さず、心をつよく保つように心掛けること。難しいことですが、これしかありません。共に、精進して参りましょう。

【審査員の評価】

総合評価:3.5/5段階中

[飯村] 4
ほんの一言を思い出し、苛まれることの多い私はとても共感しました。自分でコトを大きくしてるんですよねえ。ほんと小さいコトなのに。カウンセリングを受けているような法話でした。

[後藤] 3.5
字数オーバー…?岩に刻んだ文字のように、私も残るタイプです。おっしゃる通り水に流すしかないのでしょう。その方が生きるのが楽になるのは分かっているのに、できないのがしんどいですね。でも誰しも水に流す方法を探してもがいているのだとしたら、勇気づけられます。

[中島] 3
他人の「空虚な罵詈雑言には耳を貸さず、心をつよく保つように心掛ける」ことは自分が楽になるためにも大切ですが、例えば自分の子供なり、後輩なり…罵詈雑言には「向き合う」必要もでてくるから人生余計に難しいところです。

次のお題は——–
12月末締切「らしさ」
文字数は470字以内
宗派問わずお坊さんからのご応募、お待ちしております!(info@freemonk.net)

☆しりとり法話バトルとは・・・僧侶たちが毎月しりとり形式で出されるお題にのっとって法話を作り、きびしい審査によって本誌掲載・非掲載のふるいにかけられる、フリスタ史上まれにみるサバイバルな企画。ウェブでは、残念ながら掲載に至らなかった法話と、審査員の評価を公開しています。

  

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