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しりとり法話バトル:第16回「小さくて大きいもの」嶋田一成

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お題「小さくて大きいもの」

文: 嶋田一成

日蓮宗僧侶
座右の銘 『自分の飼い主は自分』
好きな映画 『ノッキング オン ヘブンズドア』

後 輩  仏教を一言で表すとしたら、何なんでしょうね?

青年僧  ずいぶん強引な質問だな…う~ん、いや、いろんな答えがあるだろうけれど…

     私が知っている仏教学部の先生は「仏教は縁起の教えである」って言ってたな。

後 輩  …縁起ですか?

青年僧  そうだね。目には見えない「縁」が、他の「縁」と合わさったりする。
     その結果、この世に「現象」が現れる。
     そうして生まれた現象は、次の縁を生むきっかけになる。
     縁は形を変えて相続されていくんだって。

後 輩  この世の全ての現象が、ですか? 宇宙が出来たのも?

青年僧  お前が振られたのもな

後 輩  …もういいじゃないですか、それは。
     先輩は、その縁起論、本気で信じてるんですか?

青年僧  「結果論だ」っていう人もいるけど、私は信じてるよ。
     「五色の布を織るには、五色の糸が要る」っていう言葉があってね、
     糸は縁、布は現象を譬えているんだって。
     この世界はちょうど布みたいに、いくらでも小さく出来るし、
     いくらでも大きくなりうる、縁と縁の集まりなんだと思うよ。

後 輩  小さく出来るし、大きくも出来る…

青年僧  いや、同時に「小さくて、大きいもの」とも言えるかな。

【審査員の評価】

総合評価:3.3/5段階中

[飯村] 3.5
先輩の発言が今までで一番まとも (笑)。小さく切り取った世界に生きることも、大海原として生きることも自分の裁量次第。だから・・・ってとこが聞きたいです。

[後藤] 4
今回は真面目に青年僧と後輩が語り合ってますねー。ご縁は「小さくて大きなもの」。確かに個人と個人の出会いがするすると他の人の縁へ繋がっていくことがあります。反対にサークルなどの集団で出会ってから個人との絆が深まることもあります。ご縁は不思議ですね。

[中島] 2.5
生物学者、南方熊楠はいわゆる縁起の法則みたいなものを謎めいた曲線で描き表していますが、見た感じ「♪縦の糸は私、横の糸はあなた」みたいな単純なものではありませんでした。
真理とは、だれもが頷けるけれども、説明するのは途方もなく難解なものなのかもしれませんね。

次のお題は——–
12月末締切「らしさ」
文字数は470字以内
宗派問わずお坊さんからのご応募、お待ちしております!(info@freemonk.net)

☆しりとり法話バトルとは・・・僧侶たちが毎月しりとり形式で出されるお題にのっとって法話を作り、きびしい審査によって本誌掲載・非掲載のふるいにかけられる、フリスタ史上まれにみるサバイバルな企画。ウェブでは、残念ながら掲載に至らなかった法話と、審査員の評価を公開しています。

  

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