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しりとり法話バトル:第16回「小さくて大きいもの」佐山拓郎

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お題「小さくて大きいもの」

文: 佐山拓郎

浄土系単立 天恩山 五百羅漢寺住職
昭和のある年の秋彼岸、東京下町の小さなお寺で生まれる。
前職はサラリーマン。縁あって目黒の羅漢寺の住職となる。
連続掲載は途切れましたが、一から頑張ります。

 普段は小さく隠れていますが、ふとした時に大きくなるのが、悲しみの心です。
 悲しみは徐々に癒えていくとは限らず、何かのきっかけで、すぐに膨れ上がってしまいます。また、悲しくないと思っていても、どこかに小さな感情が隠れていて、突然大きくなる事もあるのです。
 昨年、ある野球選手が引退しました。私が小学生の頃から投げ続けていた、名投手でした。
 近年は衰えも目立ち、引退の報を聞いた時には、寂しさよりも「仕方ない」という諦めと「今までありがとう」という感謝の気持ちが先に来ました。悲しみよりも、彼への畏敬の念の方が大きかったのです。
 日々の忙しさの中で、彼の引退も心の隅で小さくなってきた頃、自分の抱えている悲しみについて発表する機会がありました。そこで私は、彼が日本シリーズで勝っていない事や、大事な試合で投げられなかった事などを思い出し、言葉に詰まってしまいました。小さいと思っていた悲しみが、実は非常に大きかったのです。
 悲しみの大きさは、その本人にしか分かりません。人の悲しみに寄り添える僧侶であると同時に、自分の悲しみとも上手につきあっていきたいと思います。

【審査員の評価】

総合評価:3.0/5段階中

[飯村] 3
思ってたよりも・・・ということありますよね。悲しみの心限定でお話されていますが、絞った割に漠然としています。むしろ感情全体で話されたほうがよかったかも。

[後藤] 3
誰かにとっては大したことがないように見えても、誰かにとっては大きな悲しみとなることがあるんですね。私はスポーツを観ないので正直佐山さんのお気持ちは理解できなかったのですが、相手の身になって人の気持ちに寄り添おうとするお坊さんがいることはありがたいことです。

[中島] 3
野球選手もそれだけ見ていてもらえたら冥利に尽きるんじゃないでしょうかねえ。
仕事なりなんなりでノーアウト満塁の場面に立たされた時、結果全力で空振りの三振をしても、それを見守ってもらえるか否かで全然気分が違うもんですから。

次のお題は——–
12月末締切「らしさ」
文字数は470字以内
宗派問わずお坊さんからのご応募、お待ちしております!(info@freemonk.net)

☆しりとり法話バトルとは・・・僧侶たちが毎月しりとり形式で出されるお題にのっとって法話を作り、きびしい審査によって本誌掲載・非掲載のふるいにかけられる、フリスタ史上まれにみるサバイバルな企画。ウェブでは、残念ながら掲載に至らなかった法話と、審査員の評価を公開しています。

  

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